Hallo zusammen! Mihoです。
ドイツ語学習のためにドイツ語映画を探しているという方は多いのではないでしょうか?でも、おもしろいドイツ映画って少ないですよね。
かく言うわたしも、日々ドイツ語のおもしろい映画を探しています。今回は、ドイツ映画では珍しい、すごく心に響いたヒューマンドラマ・サスペンス映画を4作、ご紹介します。
- ドイツ映画は戦争ものばっかり…もっと観やすいものを探してる
- ヒューマンドラマ系の映画が好き
- ドイツ語学習に活用したい
①ぼくらの帰路(2014)
原題:JACK
ぼくらの帰路 あらすじ
10歳の兄・ジャックと6歳の弟・マヌエルが母親を探しまわる3日間の物語。
そのたった3日間はふたりにとって、長い長い時間でした。
ふたりの母親は若くして母となったため、まだまだ母親としての自覚が足りず、友達や夜遊びを優先する日々。その母親が反面教師となったのか、兄のジャックはまだ10歳ながら弟の手を引いて電車に乗って帰宅したり、弟のお風呂の準備、朝ごはんの準備を手早くこなすしっかり者。
ある日、あるアクシデントで弟がけがを負ってしまい、ジャックは施設に送られてしまうことに。
施設ではいじめっ子にいじめられ、すぐにでも家に帰りたいジャック。
ようやく帰れると思った夏休み。母親は約束の日に迎えにくることができませんでした。
迎えまでの数日間が待ちきれず、施設を飛び出したジャックはマヌエルとともに家を目指します。
しかし家に着くも母親は留守。何度携帯に電話しても、留守電のままで繋がりません。
お腹を空かせながら寝床を探すふたりは、母親に会うことができるのでしょうか…?
ぼくらの帰路 感想・配信VOD
ネグレクトを題材とした本作、すごく繊細に子供たちふたり、特にジャック役の男の子の演技が素晴らしく、あっという間に時間が過ぎていきました。
終始、ジャックの「ぼくを愛して!ぼくのことを見て!」という溢れる気持ちが表情から感じ取ることができました。決して弱音を吐かないところがしっかり者すぎて心配になるくらい胸が痛みました。
ちょっとネタバレですが、ふたりがボロボロの車の中で就寝しているところを持ち主に見つかり怒られてしまう場面。なぜ、怒る前に幼い子供がこんなところで寝なくてはいけなくなったか、考えないの?と思ってしまいました…(映画なので仕方ないですが…)
ラストのジャックの決断には芯の強さを感じましたが、ジャックとマヌエルにとって良い未来につながると良いな…と願わずにいられませんでした。
ネグレクトはどの国でも起こり得る社会問題なので、ぜひ観てほしいです。
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②ワイルド わたしの中の獣(2016)
原題:Wild
ワイルド わたしの中の獣 あらすじ
地味でおとなしいOLのアニア。あるとき森から出てくるオオカミを視線を合わしたことをきっかけに、アニアはその野生のオオカミに心を奪われてしまいます。
オオカミのことが頭を離れないアニアは、あらゆる手を使ってどうにかオオカミを掴まえ、自分のアパートに連れてくることに成功。
食事を与え、危険を感じることがありながらも、次第に心を通わせるアニア。
アニアの変化に周囲の人々は心配し始める。アニアの嫌な上司ボリスは、アニアの変化に惹かれ、関係を持ってしまいます。
次第に人間らしさを忘れて野生動物のような行動をし始めるアニア。
アニアはもう人間として生きることをやめてしまうのか…?
ワイルド わたしの中の獣 感想・配信VOD
この映画の一番のみどころは、本物のオオカミを起用しよりリアルさを追求しているところ。
アニア役のリリト・シュタンゲンベルクさんとオオカミのコミュニケーションがあってこそ成り立った映画だと思います。
ラストのアニアが見せた笑顔が印象的で、最終的に野生に生きることにしたのか?人間の世界には戻る気はないのか?と余韻を持たせる終わり方でした。
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③ブレイク・ビーターズ(2014)
原題:Dessau Dancers
ブレイク・ビーターズ あらすじ
物語の舞台は1980年代の旧東ドイツ。
旧東ドイツの社会主義国家で映画をきっかけに、若者のあいだで突如ブレイクダンスブームが巻き起こります。
若者が路上に集ってブレイクダンスに熱狂するなか、政府はダンスを規制してしまいます。
あるとき、オリンピックの指導者であるフランクのアイデアでブレイクダンスを「芸術集団」として政府の管理下に置くことに。
政府のプロデュースもあり、ブレイクダンスチームは人気を集めていくも…。
ブレイク・ビーターズ 感想・配信VOD
この映画の舞台である旧東ドイツ。
社会主義の国ではただ楽しく踊ることも許されないのか、と今の生活がどれだけ恵まれているかということを感じました。
「芸術集団」として政府の足元に置かれた当初は住む場所、報酬が与えられ、一気に人気者になったものの、自分たちの信念やシンプルに「楽しむ」気持ちが失われていってしまう。
最後に彼らが下した決断にはとても共感しました。
旧東ドイツの雰囲気を感じたい方におすすめです。
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④陽だまりハウスでマラソンを(2015)
原題:Sein letztes Rennen
陽だまりハウスでマラソンを あらすじ
最後に、年配の男性が自分の年齢を言い訳にしないでマラソン大会に出場するという感動のストーリーをご紹介します。
1956年のメルボルンオリンピックにマラソン選手として出場したパウルは、妻・マーゴの病気がきっかけで夫婦ともに老人ホームに入居することが決まります。
しかし、老人ホームになかなか馴染むことができないパウルは過去に情熱を傾けていたマラソンを再開。そして、後に開催されるベルリンマラソンへの出場を決意します。
初めは馬鹿にして笑っていた他の入居者も、いつからかパウルを応援し始め、妻もサポートに徹します。
あるとき、妻が病気で天国に旅立ち、それがきっかけとなりパウルも精神科医から老人性鬱と診断されてしまいます。
ベルリンマラソンへの出場も危うくなるなか、パウルが下した決断は…?
陽だまりハウスでマラソンを 感想・配信VOD
老人ホームに夫婦で入居し、きっと余生を静かに過ごすという考えの人が一般的かと思います。
しかし自分の人生の残された時間を自分の心に正直になり、挑戦することを諦めない姿勢にあっぱれ!でした。
パウルがベルリンマラソンに出場するんだと宣言したら、娘のビルギットにも「そんなことできるわけないでしょ!」と言われる始末。(ちなみに娘役のハイケ・マカッシュさんは映画「ラブアクチュアリー」で上司と不倫する女性役の女優さん。見たことがある人も多いはず!)
今まで当たり前にできていたことができなくなり、娘にも迷惑をかけてしまっていることは自分でも受け入れたくない事実だったでしょう。
周りの応援もあり、出場を迎えたマラソン大会当日は「がんばれがんばれ!」とつい応援したくなってしまいました。
日本同様、高齢化社会となっているドイツ。社会問題である高齢化介護、誰もが迎える老いとの向かい合い方について、深く考えさせられる作品でした。
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